砂と蒼空 タイヤ考察

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KSRのタイヤについて色々と考察してみました。
(2008/3にちょっと修正)

■タイヤサイズについて
KSRの純正タイヤサイズは100/90-12です。すなわち
リム幅:100mm
扁平率:90%
インチ:12
ということです。
タイヤサイズを変更するつもりがないなら、そのサイズからタイヤをチョイスすればいいのですが、履きたいと思ったタイヤによってはそのサイズが発売されていない場合もあります。
ではサイズを変更した場合、どれだけの差があるのでしょうか?
以下が「KSRに履けそう」と思われるサイズです。
タイヤサイズを変えるとスピードメーターに誤差が出るわけですが、その値を数値化してみました。

タイヤサイズ
タイヤ外径(mm)
タイヤ外周(m)
外周誤差
スピード誤差
100/90-12
484
1.52
100%
60km時:60km
110/80-12
480
1.51
100.66%
60km時:60.4km
110/90-12
502
1.58
96.20%
60km時:57.7km
120/70-12
472
1.49
102.01%
60km時:61.2km
120/80-12
496
1.56
97.44%
60km時:58.5km
120/90-12
520
1.64
92.68%
60km時:55.6km
80/100-12
464
1.46
104.11%
60km時:62.4km
120/90-12はさすがに大きいようです。
標準タイヤが外径48.4cmなのに対して52cmもあり、タイヤの周囲が2cmも大きいので装着時の干渉等が特に気になります。また外周もその分大きいので、メータースピードの誤差も大きく危険です。

ということで120/90-12を除いた上記6種類のサイズでタイヤを見てみたいと思います。

注:上記数値はあくまでも理論値です。
しかもこの値は純正のホイールに履かせた場合の値から導き出した値なので、厳密に言えばそのまま比較はできません。
実際には100mmのリムにサイズの異なるタイヤを履かせることでタイヤの幅と高さが変わるでしょうし、それによって当然偏平率も変化します。そうなれば外径や外周まで異なってくるはずです。
ですので値に関してはあくまでも参考程度に…というところで留めておいてください。
なお各タイヤメーカーのサイトに個々の外周等が明記されていますので、実際にはそちらを参考にしてください。

■タイヤの種類

メーカー 商品名
100/90-12
110/80-12
110/90-12
120/70-12
120/80-12
ブリヂストン BATTLAX BT39SS Mini(ウェット)
 
 
 
  BATTLAX BT601SS(ソフト)
 
 
 
 
  BATTLAX BT601SS(ミディアム)
 
 
 
  BATTLAX BT601SS(ハード)
 
 
 
 
  MOLAS ML50
 
F/R
 
F/R
F/R
  MOLAS ML90
 
 
 
 
F/R
  HOOP BO3
 
 
 
 
  HOOP BO3 PRO
 
 
 
 
  HOOP BO2
 
 
 
 
ダンロップ KR336(レース用公道不可)
F△
 
 
 
R△
  TT91GP
 
F/R
F/R
  TT92GP
 
 
 
  TT72GP
 
 
 
  K178(KSR110純正)
F/R
 
 
 
 
  K778(KSR-興秬機絶版)
F/R
 
 
 
 
  D305 POLSO
 
 
F/R
 
  K488F
 
 
 
 
  K180
F/R 
 
 
 
F/R
  SX01
  K488F    
   
ピレリ GTS 23/24
 
 
 
  EVO 21/22
 
 
 
 
  SL26
 
 
 
F/R
F/R
 
  SL36DJ
 
 
 
F/R
 
   SL60
 
 
 
 
F/R
ミシュラン パイロットスポーツ SC
 
 
F/R
F/R
 
  ゴールドスタンダード
 
 
 
 
  パイロットシティ
 
 
 
F/R
 
  ボッパー
 
 
 
F/R
F/R
IRC MBR-750
 
 
 
  MB67
 
 
F/R
 
  SS-530
 
 
 
 
   SS-530 SPEC R
 
 
 
 
  SS-550 DUAL
 
 
 
F/R
   WF-930
 
 
 
 
  MB48
 
 
 
 
  MB61
 
 
 
 
  MB62
 
 
 
 
メッツラー ME7-Teen
 
 
F/R
F/R
 
  FEELFREE
 
 
 
 
※F:フロント用 R:リヤ用 F/R:フロント・リヤ共用
 △:100km以上のスピードを対象とする競技用タイヤ。実際にはサイズ表記が異なるが、フロント用が100/80、リア用が120/80程度となっている。

オフロードタイヤと違ってオンロードタイヤはフロントもリヤもそれほどパターンが違わないので、フロント用をリヤに履いたり、リヤ用をフロントに履いても大丈夫かもしれませんが、やはり適切な仕事をしてもらうためにはフロント・リヤは正しく履きたいですね。

■干渉について
タイヤのサイズを変更する場合、気になるのはタイヤとチェーン、チェーンカバーとの干渉ではないでしょうか。
タイヤがチェーンやチェーンカバーと干渉しそうになるのは、基本的に120/80のタイヤだけだと思います。
ただ同じ120/80のタイヤながらSL60とTT91ではその幅が若干違っており、サイズの表記だけでは微妙な干渉については判断できないのが現状です。
とりあえず私が履いたことのある2種の120/80タイヤについてですが…
SL60は120/80でも幅は小さいようで、チェーンカバーはギリギリ当たるか当たらないかというところで、チェーンは干渉しなかったです。ただ安全策を取ってチェーンカバーはタイヤの形状に合わせてカットした方がいいと思います(ABSなので簡単にカットできます)

TT91は120/80でも幅が広いようで、チェーンカバーはもちろん、チェーンにも干渉します。
そのままでは危険なので、干渉しないようにタイヤの向きを微妙に変えてチェーンラインを変えたりした方がいいかもしれません。(といいながら自分はそのまま平気で乗ってますが…)
上記2種のタイヤについては自分で確認したので間違いないですが、それ以外のタイヤについては情報が不足しているため、実際に履いて確かめるしかないかもしれません。
もし誰かが上記以外の120/80サイズのタイヤを履いたなら、干渉等について是非様子を教えてください。

■モトクロスタイヤ

   
タイプ
80/100-12
ブリヂストン M402 ミディアム
R
  M202 ミディアムtoソフト
R
ダンロップ D756 ミディアムtoソフト
R
  D773 ソフト
R
ピレリ MT320 ミディアムtoソフト
R
ミシュラン MH3 ミディアムtoハード
R
  MS2 ミディアムtoソフト
R

モトクロスタイヤは全てレース用のため公道使用不可となっています。
それでも敢えて装着する場合には自己責任にてお願いします。(当サイトでは一切責任を負えません)
タイプは以下の通りです。

ハード 硬質路面用
ミディアムtoハード  
ミディアム    
ミディアムtoソフト  
ソフト 軟質路面用

モトクロスタイヤを装着する場合にはチューブが必要です。
チューブはL型でなく通常のタイプで大丈夫です。

■インプレッション
自分で履いた、もしくは履いた人から聞いた意見をまとめて、インプレッションとしています。
まぁ参考程度にご覧ください。
なお情報が不足しています。こんなタイヤを履いたけどこうだったとか、実際に履いた実体験をお寄せください。情報提供者の名前と共に掲載させていただきます。

【オンロードタイヤ】

☆ダンロップ TT91GP
言わずと知れたオンロード用ハイグリップタイヤ。
本来の目的はミ ニバイクレース用というだけあって、そのグリップ力は段違い。
とにかくそのグリップ力は強力で、自分のコーナーリング技術が一段上達したように錯覚するほど。
パワーが路面にきっちり伝わって いる感じがする。
最近はその後継としてTT92というタイヤが発売になっているが、未だに根強い人気がある。
サイズも豊富にあるため、オンロード専用のタイヤとしては間違いなく最高のタイヤ。
最高速を目指すなら間違いなくオススメ。
元々ドライな路面用なので、雨天時はスリップに注意が必要。
(それほど無茶しなければ普通には乗れる)
ライフは走り方にもよるが3000〜5000km程度。
100/90-12は純正サイズ。
110/90-12も違和感なし。
120/90-12は迫力満点。チェーン干渉なし。チェーンカバーも当たらないが一応カット推奨。ちょっと値段が高め。
メーカーの記述通り、フロントを100mm幅、リアを110もしくは120にするのがベスト。
※100/90、120/80は共に生産終了らしい(同サイズがTT92GPで出ているため)
その代わり110/90、120/70が前後共用となっている。

☆ダンロップ TT92GP
TT91GPの後継タイヤ。
そのため操作感はあまり変わらない。
サイズはフロント用100/90とリア用120/80のみ(TT91GPからの継続)
ライフはTT91GP同様3000〜5000km程度。

☆ダンロップ K178
KSR110の純正タイヤ。
見た目は通り溝が少ないのでオンロードユースがメインのタイヤ。
といって雨天でのグリップも普通なので、注意さえすれば普通に使 える。
OEM製品だからか、基本的にオンロードタイヤにしてはグリップ力 は弱い。本気で攻めると滑るという話も…。
グリップ力が弱い代わりにライフは長いようで、8000〜10000km程度は保つらしい。
可もなく不可もないといった感じなので、普通に乗るなら、こ のタイヤで十分なのかもしれない。

☆ダンロップ K778
KSR-兇良現爛織ぅ筺
元々スーパーバイカーズとしてオン/オフも走れるKSR用にとこのタ イヤが履かれているようで、実際のところオン/オフをこのタイヤ で乗っているKSR乗りは多い。
センターは溝がないので違和感ないが、新品のタイヤだとサイドの溝でボコつく感じがあり、慣れるまでコーナーリングがちょっと怖 いらしい。
現在では生産終了となっており、入手は困難。
ライフは8000〜10000km程度。

☆ダンロップ KR336(レース用公道不可)
以前では考えられないほどの高速域で走ることになったKSRレーサー用に開発された新製品。
100km以上のスピードで走るレース用。(それ以下はTT91/92GPを使用)
まだ発売されたばかりでインプレッションはほとんどないが、レース用と謳うほどなので、その性能は間違いないものと思われる。
多分 ライフも短いはず(レース用なので具体的な距離不明)。

☆ダンロップ SX01
新開発のビッグスクーター用タイヤ。
D305より高速安定性、グリップ性能、耐摩耗性能が向上しているらしい。
(詳しくはコチラ)
サイズ的に前後がピッタリマッチしない感じだが(ビグスク用だし)、謳い文句が正しいなら、普段乗るためにタイヤとしてはいいかもしれない。
比較的最近の製品なのでライフ不明(情報求む!)。

☆ブリヂストン BT601
ヨコハマタイヤがまだバイクのタイヤを製造していた時代、ヨコハマタイヤのプロファイヤーシリーズと人気を二分していたバトラックスシリーズの末裔。
レース用として長年培われたタイヤで、その性能は折り紙つき。
ただしレース用のタイヤなので、その分ライフは短い。
ハイグリップなコーナーリングを楽しみたい人向け。
気温に対応したコンパウンドのバリエーションが存在する。
ライフは3000程度km程度。

☆ブリヂストン ML50
パターン的にはオフロードも走れそうだが、溝の深さもそれほど深くないため、オンロードタイヤと見た方が無難。
使用感はかなりナチュラルで、操作性も良いらしい。
値段もそれほど高くないので、普通に乗ることが多い人は選択肢に加えておきたいタイヤ。
ライフは5000〜8000km程度。

☆ダンロップ D305 POLSO
ブリヂストンのHOOPシリーズと並んで最もメジャーなスクーター用タイヤで、パターンはいかにもスクーターな感じ。
性能はそこそこ。
可もなく不可もないといったタイヤだが、耐磨耗性能はかなり良い。
パターンはスクーターそのものだが、耐久性を重視するなら選択肢に加えてもいいかもしれない。

【オン/オフタイヤ】

☆ピレリSL60
林道等のオフロード走行も考えてTT91から履き替えたタイヤ。
ストマジ用のブリジストンML50(110/80-12,120/80-12)やさらにパターンが派手なML90(120/80-12)も選択肢としてはあったが、最もオフ向きだろうと判断してSL60を装着。
このタイヤはオンでもグリップが良く、かなり走れるタイヤなので、山越えの際のコーナーリングは大変楽しい。
また林道程度のオフなら不安感なく走ることができる。
オン/オフどちらにとってもオールマイティに良いタイヤ。
ただしぬかるんだ土などの場合には溝に泥が詰まってしまい、全く グリップしなくなるので過信は禁物。
残念ながらサイズが120mmのものしかないため、どうしてもタイヤ が太くなり、前輪の取り回し感はちょっと重くなる。
本格的なモトクロスタイヤのような走りはできないが、そこそこ林道が走れれば…というレベルならお奨め。
ライフは5000〜6500km程度。

☆ダンロップK180
自分で履いたことはないが、履いている人間からのインプレッショ ンとして紹介する。
元々このタイヤはダートトラック用のタイヤで、フラットダートを得意とする。
アメリカのダートトラックレースは左回りのオーバルコースなので、タイヤのパターンも左コーナーに強い形になっている。
オンロードタイヤとしてもそれなりに性能が良く、あまり不安感なく走ることができる。
ただ左用のタイヤのため、右コーナーでは違和感があるらしく、突然グリップ感がなくなったりするらしい。
またタイヤの溝に泥が詰まってしまうとグリップしなくなるので、ぬかるんだ土での使用には注意が必要。
サイズの選択肢が多いのも嬉しい(しかし100/90と120/80ではかなり価格が違うので、普通に乗るなら100/90の方がオススメ)
ライフは5000km前後

【オフロードタイヤ】

☆ブリヂストン M402
リム幅100のホイールに80のタイヤを履くとどうなるのか…。
実際に履いた車両を見るまでは躊躇していたが、違和感無く履いているKSRを見た時にオフロード走行の幅が広がると思い、SL60から履き替えたタイヤ。
このタイヤはチューブタイヤなので、チューブレスから履き替える場合はチューブレスバルブを取り除く必要がある。
チューブはハードチューブがベスト。
ちなみにL型のチューブでないとホイールに干渉してダメかと思ったが、普通のチューブで干渉は全く問題ない。
標準タイヤが100/90なのに対して80/100というサイズなので、タイヤが扁平気味となって、一回り小さくなった。
他にも同サイズのモトクロスタイヤは存在するが、基本的に全てソフト系なので、舗装路を走るとすぐに消耗してしまうと思い、唯一のミディアムタイヤとしてM402をチョイスした。
なおこれらのタイヤは全て公道不可となっているので、装着は自己責任となることに注意すること。
M402で舗装路を走ると、ペイントやわだち、溝や変な加工などの路面の影響をモロに受けるので、走行には注意が必要。
ある程度減ってくると角が取れるので、安定する。
またモトクロスタイヤは滑りやすいと言われるが、このM402はかなりグリップが良く、過信さえしなければ濡れた舗装路も十分普通に走れた。
オフロードでの走行性能はとにかくダントツ!
ぬかるみ、乾いた土、砂、細かな砂利、草むら等全てにおいてタイヤが地面を噛み、空転することなくトラクションを得ることができる。
SL60では不安だった路面が嘘のように安心して走れるので、ダート走行がとにかく楽しくなった。
ライフは3000〜3500km程度。
【使用前】

【3500km走行時】

☆ミシュランMH3
ミシュランが発売したミニモト用唯一のハード路面用タイヤ。
M402よりブロック数が少なく、ブロックの間隔が広いため、走行時にボコつくかと思ったが、ブロックのパターンが交互に配置されているため、M402よりボコつきは少ない。
ブロックの高さもM402より高く、ブロック自体も柔らかいので、 M402の方が舗装路の走行には向いているかもしれない。
元々はソフト用のMS2のコンパウンドを変更しただけのハード用なので、その辺りは仕方ないところ。
オフロードでの性能はM402同様素晴らしい。
M402が路面を強力に掻いて絶大なトラクションを得るイメージで走 るのに対し、MH3はもう少しソフトに路面に食い付き走るイメージ。
M402がただ前へ押し出す感じなのに対して、MH3はバランスを保ちながらマシンを前へ出すように感じた。
ダートを走る際のマシンの安定性を求めるならこちらがお勧め。
ライフは3000〜3500km程度。

※モトクロスタイヤのベストな選択
元々モトクロスタイヤとして紹介している上記のタイヤは全て後輪用となっている。
KX65等のミニモトでは、これらのタイヤを後輪に履き、前輪には専用のタイヤを履くのだが、KSRにモトクロスタイヤを履かせようと した場合、どうしても前後輪共に後輪用のタイヤを履かざるを得ない。
そこで現状での自分なりに出した結論を書いておこうと思う。
M402の生み出すトラクションは絶大である。とにかく地を蹴る力、そのパワー感はすばらしい。
しかしタイヤのパターンが直線的に並んでいるタイプなので、コーナーでマシンを傾けた場合、どうしても前輪が流れやすくなってし まう。
MH3の方はM402ほど路面を蹴らない代わりに、コーナーでアクセルを開けた時にタイヤが流れずにグリップして、マシンが直立しよう とするように感じられる。
交互に配置されたパターンがそのような挙動を生むらしい。
これらのことから、多少違和感があるかもしれないが、前輪にMH3、後輪にM402を履いたら、もしかしてバランスが取れるのではないかと思っている。
他にもモトクロスタイヤはあるものの、全てソフト用なので、舗装路も走る場合に考えられる選択肢としては、その組み合わせがベストなのではないだろうか。


実際にフロントをMH3、リアをM402としたところ、やはり予想通りに良い感じで走ることができた。
どうしてもハード対応タイヤとして前後輪共にMH3を選択したいところだが、MH3はMS2と全く同じパターンのものをゴムのコンパウンドで調整した製品であるため、個人的には最初からミディアム/ハードとして開発されたM402の方がどちらかというと好みである(それほどまでに地面を蹴る力が素晴らしい)

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